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9. 全てに飽いた魔王

ผู้เขียน: 月城 友麻
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-10-27 11:03:57

「うむ、確認した。下がって良し!」

 ゼノヴィアスは料理に視線を落とすこともなく、手を振った。

 小悪魔たちは安堵の表情を浮かべ、そそくさと退室していく。バフォメットも一礼して扉を閉めた。

 再び、静寂が訪れる――――。

 ゼノヴィアスは深いため息をついた。

(つまらぬ……)

 魔王は闇から生まれた存在。魔気の濃いこの城にいる限り、食事など必要ない。空腹を感じることもなければ、味覚を楽しむ必要もない。

 それでも部下たちは、毎日三度、律儀に食事を運んでくる。「魔王様も食事をなさるべきです」という、彼らなりの気遣いなのだろう。

 だが、五百年も生きていれば、どんな美食も灰のように味気ない。

(人間との大戦が終わって、もう四百年か……)

 思い返せば、あれは壮絶な戦いだった。

 人間たちは次々と勇者を送り込んできた。聖剣を掲げ、正義を叫び、仲間たちと共に魔王城に攻め込んでくる。とんでもないチートな攻撃を繰り出してくる勇者。しかし、ゼノヴィアスの方が一枚上手だった。その天才的な戦闘センスで勇者を葬っていく――――。

 ところがそれで終わらない。一人倒せば、また新たな勇者が現れる。まるで雑草のように、次から次へと。

 百年に及ぶ戦いの末、両陣営とも疲弊しきった。そして結ばれた停戦協定。

 以来、人間は人間同士で争い、魔族は魔族で静かに暮らしている。

(平和だ。退屈なほどに)

 ゼノヴィアスは立ち上がり、窓辺へと歩み寄った。

 眼下に広がる魔の森。かつては勇者たちの恐るべきチート攻撃で荒れ野原だったが、今では、ただの森だ。

「少し体でも動かすか……」

 呟いて、ゼノヴィアスは窓を開ける。

 冷たい風が吹き込み、黒髪を乱す。そのまま窓枠に足をかけ、ひらりと身を躍らせた。

 重力に引かれて落下する身体。しかし、魔王の表情は涼しげなままだ。

 地面が近づいた瞬間――――。

 ブ

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